大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)410 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人荒木鼎の上告理由について。

(一)上告人は、昭和二七年七月一六日成立した調停調書中のいわゆる失権約款

に関する条項が、同年一二月一六日合意解除され、同時に新たに所論のような約旨

の合意がなされたので、これによれば上告人には賃料の支払を遅滞した事実はない

と主張して種々論述(とくに一括払の特約のことなど)するが、右はひつきよう原

判決認定事実に副わない事実を前提として、原審の専権に属する事実認定を非難す

るものであつて、採用するを得ない。

(二)所論弁済供託の点に関する原審の判断は首肯しうるから、論旨は理由がな

い。

(三)所論はまた、上告人において本件調停条項に違反する賃料不払の事実があ

つたとしても、民法五四一条の適用により、まず支払の催告をなし、その催告期間

内に支払のない場合にのみ本件賃貸借契約が解除さるべきものであつて、右の趣旨

に反する失権約款は民法九〇条に違反して無効であると主張するが、この点につい

ても原判決の判示は首肯するに足りる。所論はこれと趣を異にする見解を前提とす

るものであり、また所論引用の判例学説は本件事案に対してはいずれも適切でない

から、論旨は採用することができない。

(四)最後に、熊本地方裁判所昭和二八年(ワ)第四六三号事件における被上告

人代理人の陳述に関する所論は、上告人において原審で主張していない事実である

のみならず、その内容もいわゆる裁判外の自白に関するものにすぎないから、原判

決を違法とする理由にはなりえない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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